安全な解体・改修工事のために:アスベスト事前調査の重要性

解体や改修を伴う建築作業において、建物や工作物にアスベストが含まれているかどうかを事前に調査することは、法令で定められた必須の手続きです。アスベストは、かつて建材として広く使用されていた一方で、健康に深刻なリスクをもたらす有害物質です。吸入により肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす恐れがあるため、適切な取り扱いが欠かせません。

そこで、**「石綿障害予防規則」**では、アスベストが含まれる可能性のある建材について、有資格者による事前調査が義務付けられています。資格を持つ専門家による調査は、作業員や周辺環境の安全を確保するための第一歩です。本記事では、アスベストのリスクや事前調査の重要性に加えて、その調査がどのような流れで行われるのかについても詳しくご説明いたします。

事前調査の必要性と法的義務

アスベストが含まれる可能性のある建材を使用した建築物や工作物の解体・改修工事においては、事前調査が施工業者(元請事業者)に義務付けられています。特に、「石綿障害予防規則」により、これらの調査は有資格者が行うことが求められ、適切な安全対策が徹底されることが法令で規定されています。

また、事前調査の実施対象は、建築物の新築以外の工事に限られ、令和8年1月1日以降に開始する「工作物」の工事についても、資格を有する調査者による事前調査が必須となります。この義務を遵守することは、作業者や周辺住民の安全を守るために欠かせないステップです。

調査内容と報告の義務

アスベスト事前調査では、まず対象建材にアスベストが含まれているかどうかを確認し、特定の建材が使用されているかを調べるプロセスが必要です。調査は資格を有する専門家が適切に実施し、作業者や周囲へのリスクを最小限に抑えることを目的としています。
調査が完了した後、調査結果は記録として残し、工事現場で掲示する義務があります。さらに、作業が完了してからも3年間保存することが法令で定められています。また、工事の規模や内容によっては、労働基準監督署や都道府県へ事前に報告する必要もあります。これらの手順を遵守することで、安全な作業環境の確保が可能となります。

主な規制内容の早見表

アスベスト含有建材を扱う工事には、施工内容に応じた特別な規制と安全措置が求められます。以下は、工事の種類ごとに必要とされる主な措置の簡易リストです。

  • 隔離措置:特定の作業エリアを隔離し、周囲への粉じんの飛散を防止
  • 負圧維持:作業空間の負圧を維持し、アスベストの拡散を抑制
  • 防護具の使用:マスクや保護衣の着用を義務化し、作業者の安全を確保
  • 作業場への掲示:調査結果の表示と、安全に関する注意事項の掲示
  • 健康診断の実施:作業者に対する定期的な健康診断の実施

各措置の具体的な内容やその他の詳細な規制内容については、厚生労働省が提供する「石綿規制早見表」を以下のリンクからダウンロードしてご覧ください。

アスベストの事前調査は、安全な施工を支えるために欠かせない重要なプロセスです。当社では、豊富な経験と専門的な知識を持つ有資格者が在籍し、最新の機材と厳格な品質管理のもとで確実な調査を行っています。また、調査後もお客様の安全施工をサポートするためのアドバイスやフォローアップを徹底しており、安心してお任せいただける体制を整えています。

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