なぜ圧縮空気の清浄度が重要なのか
圧縮空気は、医薬品、食品、飲料、化粧品、半導体といったさまざまな産業で欠かせないユーティリティとして使用されています。中でも、製品に直接または間接的に触れる工程では、より高度な清浄度が求められます。そのため、圧縮空気に含まれる微粒子、油分、水分などの汚染要素を正確に測定・管理することは、製造現場における品質保証や衛生管理の根幹といえます。
当社では、ISO 8573などの規格に準拠し、空気の清浄度レベルを数値で可視化・評価することで、お客様の品質管理体制を強力にサポートいたします。
当社では、ISO 8573などの規格に準拠し、空気の清浄度レベルを数値で可視化・評価することで、お客様の品質管理体制を強力にサポートいたします。
清浄度測定の主なメリット
圧縮空気の清浄度測定を行うことで、製品品質の向上はもちろん、コスト削減や監査対応の面でも大きなメリットが得られます。
■ 品質向上
- 異物混入や汚染のリスクを可視化し、製品の不良率を低減
- 製造環境の「見えないリスク」に対する客観的なエビデンス確保
- 空気品質の安定化により、製品のばらつき防止・信頼性向上
■ コスト削減
- コンプレッサーやエアフィルターの状態を把握し、設備トラブルの予防
- 定期的な測定によるメンテナンス費用の最適化
- 汚染物によるエネルギーロスや二次被害(製品廃棄等)の防止
■ コンプライアンス・監査対応
- FSSC22000、HACCP、GMPなど各種システムの要求事項への対応に有効
- 監査時に求められる清浄度証明データ(測定記録)として活用可能
- 海外顧客や大手企業との取引条件をクリアするための支援材料
対象業種と規格対応(監査対応)
圧縮空気の清浄度は、各業界の製造現場において製品の品質と安全性を左右する重要な要素です。
特に、以下の業界では国際的な規格や管理基準に対応するうえで、清浄度の「数値的な証明」が求められています。
特に、以下の業界では国際的な規格や管理基準に対応するうえで、清浄度の「数値的な証明」が求められています。
■ 医薬品製造業等
- GMP(Good Manufacturing Practice)
医薬品や医薬部外品などの製造・品質管理基準への準拠が必須です。 - PIC/S(Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme)
各国の査察当局間でGMPの国際標準化を進める枠組みにおいても、清浄度の確認は重要な監査項目です。
■ 食品・飲料業界
- FSSC22000(食品安全マネジメントシステム)
ISO22000に追加要求事項を加えた国際認証であり、空気の清浄度管理も求められます。 - HACCP
製造工程でのリスク分析と重要管理点の一環として、空気由来の異物混入リスク対策が必要です。
■ 半導体・電子部品業界
- 海外取引先や納品先による監査・査察対応
- 設備新設・更新時の清浄度グレード確認やバリデーション支援
- 定期点検時の品質チェックとして、品質低下や不具合の早期発見に有効です

清浄度等級と評価基準一覧
圧縮空気の清浄等級設定例
測定項目 | 清浄等級 | 測定方法 | 参考JIS規格 |
---|---|---|---|
粒子数 | 0~5等級 | レーザーパーティクルカウンター | JIS B 8392-4 |
圧力露点(水分) | 0~6等級 | 露点計 | JIS B 8392-3 |
油分(オイルミスト・蒸気) | 0~4等級 | ろ紙捕集-FTIR、GC-MS分析 | JIS B 8392-2 / 5 |
微生物(生物粒子) | 培地吹付-培養法 | JIS B 8392-7 |
圧縮空気の清浄度等級 – 圧縮空気-汚染物質および清浄等級 (JIS B 8392-1/ISO 8573-1)
等級 | 固体粒子(1m³あたりの最大粒子数) 粒子径 d(μm) |
水分 圧力露点(℃) |
油分 オイル濃度(mg/m³) |
微生物 微生物粒子(CFU/m³) |
||
---|---|---|---|---|---|---|
0.1 < d ≦ 0.5 | 0.5 < d ≦ 1.0 | 1.0 < d ≦ 5.0 | ||||
1 | ≦ 20,000 | ≦ 400 | ≦ 10 | ≦ -70 | ≦ 0.01 | – |
2 | ≦400,000 | ≦ 6,000 | ≦ 100 | ≦ -40 | ≦ 0.1 | – |
3 | 規定しない | ≦ 90,000 | ≦ 1,000 | ≦ -20 | ≦ 1 | – |
4 | 規定しない | 規定しない | ≦ 10,000 | ≦ +3 | ≦ 5 | – |
5 | 規定しない | 規定しない | ≦100,000 | ≦ +7 | – | – |
6 | – | – | – | ≦ +10 | – | – |
圧縮空気の清浄等級設定例
以下は、各業界で推奨される圧縮空気の清浄度等級(ISO 8573-1に準拠)の目安です。数値は清浄度レベル(等級)を表し、数字が小さいほどより厳しい管理基準を意味します。
業種 | 粒子(等級) | 圧力露点(等級) | 油分(等級) | 微生物(CFU/m³) |
---|---|---|---|---|
注射薬 | 1〜3 | 2〜4 | 1〜3 | ≦1 (1~100) |
内服薬 | 2〜4 | 2〜4 | 1〜3 | ≦1 (1~100) |
医療機器・器具 | 2〜4 | 2〜4 | 1〜3 | ≦1 (1~100) |
飲料・食品 | 2〜4 | 2〜4 | 1〜3 | ≦1 (1~100) |
半導体・電子部品 | 1〜3 | 2〜3 | 1〜2 | ≦1 (1~100) |
※1)清浄度等級は,目的・設備状況に応じて選定
※2)同じ業種でも製品・生産工程・圧縮機の性能や周辺機器の世知状況など,諸条件により清浄等級の設定は大きく変わる
使用機器と測定の流れ(JIS B 8392 / ISO 8573-1対応)
圧縮空気の清浄度測定は、下図のような流れで行います。
コンプレッサーから供給された空気は、複数のフィルターとレギュレーターを通過しながら整流・調整され、各測定器によって「粒子」「圧力露点」「油分」「微生物」の4項目について測定されます。
コンプレッサーから供給された空気は、複数のフィルターとレギュレーターを通過しながら整流・調整され、各測定器によって「粒子」「圧力露点」「油分」「微生物」の4項目について測定されます。

使用している機器は、JISおよびISOに準拠した信頼性の高いものを採用しております。
測定結果は全て、定量的に記録し、報告書としてご提出可能です。
測定結果は全て、定量的に記録し、報告書としてご提出可能です。
当社は最新の技術を用いて、圧縮空気の清浄度測定を行っています。
専門の技術者が正確かつ迅速に測定し、お客様のニーズに合わせたレポートを作成します。まずはお気軽にお問い合わせください。
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