公衆浴場の水質基準、令和7年4月1日から改正。大腸菌群から大腸菌へ

厚生労働省は、公衆浴場における水質基準を改正し、令和7年4月1日から適用すると発表しました。これにより、これまで「大腸菌群」で管理されていた基準が、「大腸菌」に変更されます。本記事では、基準変更の背景や影響、事業者が取るべき対応について詳しく解説します。

1. 公衆浴場の水質基準が改正 ― 何が変わるのか?

厚生労働省は、令和7年4月1日から公衆浴場の水質基準を改正すると発表しました。今回の改正では、これまで「大腸菌群」で水質管理が行われていましたが、今後は「大腸菌」を基準とすることになります。

この改正は、排水の水質基準と統一されるものであり、公衆浴場の衛生管理の強化を目的としています。事業者にとっては 水質検査の方法変更への対応が求められるため、事前準備が必要となります。

2. 変更の背景 ― なぜ「大腸菌群」から「大腸菌」へ?

「大腸菌群」から「大腸菌」への変更の理由は、大腸菌群の検査では不十分な場合があったためです。
・大腸菌群には病原性のない菌も含まれる → 本来の汚染状況を正確に反映しない可能性があった。
・大腸菌は、人や動物の腸内に存在し、一部は病原性を持つ → より厳格な衛生管理が可能になる。
すでに下水道の水質基準も同様に変更されており、公衆浴場もこれに倣う形で改正されました。

3. これまでの基準と新基準の違い

項目 改正前(~令和7年3月31日) 改正後(令和7年4月1日~)
水質基準 大腸菌群 1個/mL以下 大腸菌 1個/mL以下
検査対象 大腸菌群(病原性のない菌も含む) 大腸菌(病原性を持つ可能性がある)
検査方法 大腸菌群数の検査 大腸菌数の検査(下水道と同じ基準)
試料の取り扱い 希釈して測定可 希釈せずに検査

これにより、より厳密な水質管理が求められます。

4. 影響を受ける施設と事業者の対応

影響を受ける施設

今回の水質基準改正は、以下のすべての公衆浴場施設に適用されます。
・一般公衆浴場(銭湯・温泉施設・スーパー銭湯)
・ホテル・旅館の浴場
・スポーツジム・健康ランドの浴場

事業者が取るべき対応

✔ 定期検査の方法を確認し、新基準に対応する検査機関と連携する
✔ 衛生管理マニュアルを改訂し、従業員への周知を徹底する
✔ 塩素消毒や換水を適切に実施し、大腸菌が検出されないよう管理を強化する

「いままで通りの検査では基準を満たせない可能性があるため、必ず事前に確認が必要」です。

5. まとめ ― 安全な水質管理のために

令和7年4月1日から施行される公衆浴場の水質基準改正は、より正確な衛生管理を行うための重要な変更です。
事業者にとっては水質検査方法の見直し消毒・管理の強化が求められますが、これは利用者にとって安心・安全な入浴環境を提供することにつながります。
計量証明事業者として、新基準に適合した検査の実施をサポートし、今後も安全な公衆浴場運営に貢献していきます。

公衆浴場の水質検査や新基準対応について、ご相談があれば当社までお問い合わせください。

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