排水基準の「大腸菌群数」が「大腸菌数」に変更 – 2025年4月施行へ

2024年1月4日、環境省は水質汚濁防止法および建築物排水基準に関する改正を公布しました。これにより、現在「大腸菌群数」として規定されている項目が「大腸菌数」に変更され、基準値の一部が緩和されることとなりました。本改正は2025年(令和7年)4月1日より施行さます。

経緯・背景

環境基本法(平成5年法律第91号)に基づく水質汚濁に係る基準等のうち、生活環境項目の排水基準の項目名としていた「大腸菌群数」は、その検出の指標となる細菌の種類が多岐にわたるため、より適切な指標として「大腸菌数」に変更することが令和5年6月に告示され、令和6年4月1日より施行されることになりました。
また、同項目において、食品工場等の排水に由来する大腸菌の実態を踏まえ基準値を緩和するため、排水基準の一部を改正し「大腸菌数」を定めるにあたって以下の表の通り、「大腸菌数」に係る排水基準の変更を行います。

改正の概要

(1) 水質汚濁防止法施行規則(昭和46年環境省令188号)の改正

水質汚濁防止法施行規則第13条第8項第2号の2に基づき水質汚濁防止法施行規則第13条第9項第1号を改正し、「大腸菌群数」を「大腸菌数」に改める。

(2) 建築物排水基準(昭和25年建設省第33号)の改正

上記の改正に伴い、建築物排水基準(昭和25年建設省第33号)第31条第2項第2号関係法令においても、「大腸菌群数」を「大腸菌数」に改める。
これにより、「大腸菌数」に係る基準値を(1立方センチメートルあたり3,000個以下)から緩和し、「大腸菌数」に係る基準値を(1ミリリットルあたり800以下=形態形成単位以下)に改める。

今後の予定

令和6年1月4日(木) 公布
令和7年4月1日(火) 施行

まとめ

水質汚濁防止法施行令

変更前 変更後
分析項目 大腸菌群数 大腸菌数
分析方法 平板培地法 特定酵素基質法
使用培地 デソキシコール酸培地 特定酵素基質培地
基準値 1立方センチメートルにつき 3000個以下 1ミリリットルにつき 800コロニー形成単位以下

建築基準法施行令

変更前 変更後
分析項目 大腸菌群数 大腸菌数
分析方法 平板培地法 特定酵素基質法
使用培地 デソキシコール酸培地 特定酵素基質培地
基準値 1立方センチメートルにつき 3000個以下 1ミリリットルにつき 800コロニー形成単位以下

関連記事

  1. 水質調査・分析・測定についてのご案内

  2. 総合水研究所からCOOL NAVIのご案内 (熱中症対策について)

  3. 各種水処理実験のご案内

  4. 【3M】ばく露測定の補助金活用ガイドと製品のご案内

  5. 微生物検査の土日対応実施中!!

  6. JIS B 2061(給水栓)改正について

error: