労働安全衛生規則等が改正され、「化学物質管理専門家」、「作業環境管理専門家」という 化学物質や作業環境の管理に関わる専門家が新たに設置されました。
令和6年4月1日施行の労働安全衛生規則第34条の2の10により、化学物質による労働災害が発生した事業場等に対して所轄労働基準監督署長から化学物質の管理の状況についての改善指示を受けた事業場は化学物質管理専門家の助言を受けなければなりません。
化学物質管理専門家の要件
①労働衛生コンサルタント試験に合格し(試験の区分が労働衛生工学であるものに限る)、登録を受け、5年以上化学物質の管理(粉じん則の適用除外の際には粉じんの管理)に係る業務に従事した経験を有する者
②衛生工学衛生管理者免許を受けた者で、8年以上、衛生工学衛生管理者の業務に 従事した経験を有する者
③作業環境測定士で、6年以上作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有し、かつ、厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了した者
④1から3までに掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者
※同等以上の能力を有すると認められる者
化学物質管理専門家は、上記内容の管理が事業場にて適切に行われているか客観的な判断を行う必要があるため、当該事業場に所属しない外部の専門家であることが望ましいとされています。
②衛生工学衛生管理者免許を受けた者で、8年以上、衛生工学衛生管理者の業務に 従事した経験を有する者
③作業環境測定士で、6年以上作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有し、かつ、厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了した者
④1から3までに掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者
※同等以上の能力を有すると認められる者
化学物質管理専門家は、上記内容の管理が事業場にて適切に行われているか客観的な判断を行う必要があるため、当該事業場に所属しない外部の専門家であることが望ましいとされています。
作業環境管理専門家の要件
①化学物質管理専門家の要件に該当する者
②労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学であるものに合格した者に限る。)又は労働安全コンサルタント(試験の区分が化学であるものに合格した者に限る。)であり、3 年以上化学物質又は粉じんの管理に係る業務に従事した経験を有する者
③6年以上、衛生工学衛生管理者としてその業務に従事した経験を有する者
④衛生管理士(労働衛生コンサルタント試験 (試験の区分が労働衛生工学であるものに限る。)に合格した者に限る。)に選任された者であり、3年以上労働災害防止団体法第11条第1項の業務又は化学物質の管理に係る業務を行った経験を有する者
⑤6年以上、作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有する者
⑥4年以上、作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有する者であり、(公社)日本作業環境測定協会が実施する研修または講習のうち、同協会が化学物質
管理専門家の業務実施に当たり、受講することが適当と定めたものを全て修了した者
⑦オキュペイショナル・ハイジニスト資格又はそれと同等の外国の資格を有する者
②労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学であるものに合格した者に限る。)又は労働安全コンサルタント(試験の区分が化学であるものに合格した者に限る。)であり、3 年以上化学物質又は粉じんの管理に係る業務に従事した経験を有する者
③6年以上、衛生工学衛生管理者としてその業務に従事した経験を有する者
④衛生管理士(労働衛生コンサルタント試験 (試験の区分が労働衛生工学であるものに限る。)に合格した者に限る。)に選任された者であり、3年以上労働災害防止団体法第11条第1項の業務又は化学物質の管理に係る業務を行った経験を有する者
⑤6年以上、作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有する者
⑥4年以上、作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有する者であり、(公社)日本作業環境測定協会が実施する研修または講習のうち、同協会が化学物質
管理専門家の業務実施に当たり、受講することが適当と定めたものを全て修了した者
⑦オキュペイショナル・ハイジニスト資格又はそれと同等の外国の資格を有する者
令和6年4月1日より、作業環境管理専門家の要件が以下のように修正されました。
(修正前) | (修正後) |
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1 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)第83条第1項の労働衛生コンサルタント試験(その試験の区分が労働衛生工学であるものに限る。)に合格し、同法第84条第1項の労働衛生コンサルタントの登録を受けた者であって、その後5年以上労働衛生コンサルタントとしてその業務に従事した経験を有するもの | 1 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)第83条第1項の労働衛生コンサルタント試験(その試験の区分が労働衛生工学であるものに限る。)に合格し、安衛法第84条第1項の労働衛生コンサルタントの登録を受けた者で、 5年以上化学物質の管理に係る業務に従事した経験を有するもの (修正理由)労働衛生コンサルタントは、受験資格として、作業環境測定士の資格取得後3年の実務経験など十分な実務経験を求めているため、コンサルタント登録前の実務経験を含めることとした。 |
2 安衛法第12条第1項の規定による衛生管理者のうち、衛生工学衛生管理者免許を受けた者であって、その後8年以上安衛法第10条第1項各号の業務のうち衛生に係る技術的事項で衛生工学に関するものの管理の業務に従事した経験を有するもの | <修正なし> |
3 作業環境測定法(昭和50年法律第28号)第7条の作業環境測定士の登録を受けた者であって、その後8年以上作業環境測定士としてその業務に従事した経験を有するもの | 3 作業環境測定法(昭和50年法律第28号)第7条の作業環境測定士の登録を受けた者で、その後6年以上作業環境測定士と してその業務に従事した経験を有し、かつ、厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了したもの (修正理由)リスクアセスメント等、作業環境測定士の試験範囲等に含まれない事項を講習することとした。 |
4 その他、上記に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者 | <修正なし> |